お子様の矯正治療では、見た目の印象だけでなく、噛み合わせや口まわりの機能まで含めて考えることが大切です。

とくに次のような歯並びに該当する場合は、早めの受診をご検討ください。

• 受け口（反対咬合）：
  下の前歯が上の前歯より前に出ている
• 出っ歯（上顎前突）：
  上の前歯が極端に前方へ傾いている
• 叢生（そうせい）：
  歯がデコボコに生え、重なっている状態
• 開咬（かいこう）：
  上下の前歯が噛み合わず、口が閉じにくい
• 交叉咬合：
  上下の奥歯や前歯が左右にずれて、正しく噛み合わない

歯がきれいに並んでいない状態は、見た目の印象だけでなく、噛む・話すといった日常の動作や、あごの発育にも影響することがあります。

不正咬合について

お子様の矯正治療では、まずⅠ期治療で歯並びやあごの発育にアプローチし、必要に応じてⅡ期治療に進むという2段階で進めるのが一般的です。

Ⅰ期治療の期間は平均して1年ほど。
あごの幅を広げたり、噛み合わせの誘導を行う装置を使って、土台づくりを行います。

Ⅱ期治療では、歯列が完成してから必要があれば、さらに歯の細かい調整を行うことになります。

Ⅰ期の段階でバランスよく整えることができれば、Ⅱ期治療が不要になったり、期間や費用を抑えられることも少なくありません。
そのため、タイミングを逃さないためにも、定期的な観察と診断が欠かせません。

プレオルソは、やわらかい素材でできたマウスピース型の矯正装置です。

主に自宅や就寝時の装着で、歯並びや噛み合わせの改善に取り組むことができるため、学校生活への影響が少なく、お子様にも受け入れられやすい治療法です。
さらに、口呼吸やお口ポカンなど、歯並びを悪くする癖を整える目的でも活用されます。

当院ではプレオルソの使用と並行して、MFT（口腔筋機能療法）にも力を入れています。
舌の位置や唇の動かし方などをトレーニングし、歯並びの乱れにつながる習慣を改善していきます。
とくに口呼吸から鼻呼吸への切り替えは、お口の健康だけでなく、全身の健康にも好影響をもたらします。

取り外しが可能な床矯正装置は、歯がきれいに並ぶためのスペースをつくる装置です。
装置によってあごの幅を広げ、歯列を整えやすい状態に誘導していきます。
使用時間や調整も比較的シンプルで、負担が少ないのが特徴です。

混合歯列期に行うⅠ期治療では、「2×4システム」という固定式装置を使用する場合もあります。
上下の前歯の傾きやねじれを整えることで、将来の歯列全体のバランスが整いやすくなります。
早期に前歯の位置を改善しておくことは、見た目だけでなく噛み合わせにも良い影響を与えます。

永久歯がそろったタイミングで行うⅡ期治療では、目立ちにくいマウスピース矯正（インビザライン・ティーン）や、白いブラケット・ホワイトワイヤーを用いた表側矯正にも対応しています。

思春期のお子様が気にしやすい見た目への配慮を行いながら、しっかりと歯並びを整えていきます。